「ミズバショウ(水芭蕉)」は北海道・札幌では見られる?【見頃・名所】

自然(植物)

湿った場所で生育し、春の後半から初夏にかけてユニークな姿を見せる植物である「ミズバショウ(水芭蕉)」。

こちらのページでは、ミズバショウに関する一般的な知識を「北海道・札幌」での生育状況などを踏まえて解説していきます。

ミズバショウの基礎知識

生育地域日本国内北海道・本州中部以北の日本海側
※例外:兵庫県養父市の加保坂峠に隔離分布
※一部地域ではレッドリストに登録
※温暖な中国・四国・九州地方などでは通常生育しない
海外:樺太(サハリン)・カムチャツカ半島・千島列島
名前の由来・「ミズ」の名はその名の通り湿地、水気のある場所に生育することに由来
・「バショウ」の名は、「芭蕉布」の材料となる「イトバショウ」の葉に似た外観であることに由来
特徴湿地、水気のある土地で生育
大きな白い花のようなもの「仏炎苞(ぶつえんほう)」を咲かせる
・実際には「仏炎苞」は「葉」の変形したもの
・花本体は「仏炎苞」内の円柱形の部分に黄色い小さな花が集まる形状
・基本は「種子」で繁殖、但し地下茎から新しい株が生まれる「栄養繁殖」も可能
花の色花のように見える部分(苞):白色
花そのもの:黄色
大きさ高さ:60cm~100cm
:5cm~20cm程度
分類多年草
植物界(Plantae)
被子植物門(angiosperms)
単子葉植物網(monocots)
オモダカ目(Alismatales)
サトイモ科(Araceae)
ミズバショウ属(Lysichiton)
ミズバショウ種(camtschatcensis)
学名Lysichiton camtschatcensis
英名Asian skunk-cabbage
white skunk cabbage
Far Eastern swamp lantern
Japanese swamp lantern
別名ベコノシタ(北海道/葉が牛の舌に似ていることに由来)
ヘビノマクラ(北海道/花序を蛇の枕に見立てたことに由来)
パラキナ(北海道/アイヌ語で幅の広い葉という意味に由来)
ウシノクチヤ(石川県)
利用・文化・毒性を持つ「アルカロイド」を含有することから薬用としても、食用としても利用不可
・ツキノワグマなどが天然の「下剤」として用いる場合あり
自治体の花(木)岐阜県飛騨市・兵庫県養父市
北海道網走郡大空町・河西郡芽室町
宮城県加美郡加美町
山形県西村山郡西川町
青森県三戸郡新郷村
福島県西白河郡西郷村・南会津郡檜枝岐村・耶麻郡北塩原村
群馬県利根郡片品村

ミズバショウは、国内では主に比較的寒冷な地域で見られる多年草で、基本的に「湿地」で生育するという特徴を持っています。

分布は中部地方より北側が基本で、国外では樺太(サハリン)や千島列島でも見られます。

ミズバショウは一般に白い大きな「花」のようなものを「咲かせているように見える」ことで知られますが、これは花が咲いているのではなく、葉の一部が「苞(仏炎苞とも)」と呼ばれる部分として変形したもので、あくまでも花びらなどではありません。

なお、「仏炎苞」は仏像の光背(こうはい)にある火炎のような形をしていることから、そのように名付けられたものです。

花自体は、この苞の内側に包まれるような形で見られ、円柱形の部分に黄色い花が多数点在する形になっています。

繁殖形態は種子による繁殖が基本で、種から発芽し、花を咲かせるまでには3年程度を要することが通常です。また、地下茎の部分から「子供」のような株が別途発生する形で繁殖(いわゆる「栄養繫殖」)することもあります。

ミズバショウの見頃はいつ?

全国的な見頃早い場所では3月~遅い場所では6月
※地域・気候によって差が大きい
札幌市内での見頃4月中旬~5月上旬頃

ミズバショウは、そもそも西日本などの温暖な地域では見られない植物ですが、中部以北の主な分布地の中でも、地域・気候(標高による気温差)によって見頃となる時期は大きく異なります。

北陸など比較的気温が上がりやすい地域の平地周辺では、3月中から白いミズバショウの姿が見られるようになりますが、標高1,500m程度の尾瀬など北海道の平地よりも寒い場所では、6月が見頃となるなど、条件による差はかなり大きくなります。

札幌市内の平地で見た場合、4月の中旬頃から見頃を迎え、5月の上旬頃まで美しい風景をお楽しみ頂ける場合が多くなっています。その年の気温などによって一定のずれはありますが、桜などと比べると見頃となる期間が長いこともミズバショウの特徴ですので、ゴールデンウイーク頃であれば概ねどの年でもご覧頂ける状況と言えるでしょう。

札幌市内でミズバショウが見られる場所は?

北海道内では、ミズバショウはレッドリスト入りしていることもなく、湿った環境のある土地では広く自生している場合もあるなど、特段珍しい植物とまでは言えません。

但し、札幌市内については平地は都市化が進んでいるため、一般的に見られるというものではなく、一部の緑地や公園で見ることが基本となります。

札幌市内でミズバショウが生育する主な公園など

星置緑地(星置水芭蕉公園とも)・西岡公園(西岡水源地)・平岡公園・国営滝野すずらん丘陵公園・野幌森林公園 など

市内の「名所」としては、星置緑地は別名を星置水芭蕉公園と言われるほどで、市内では少なくなった湿地を伴う森林が見られるため、ミズバショウが大規模に見られる群生地となっています。遊歩道もあるため、春の散策にはもってこいと言えるでしょう。

また、西岡公園(西岡水源地)・平岡公園・国営滝野すずらん丘陵公園・野幌森林公園といった森林部分が多い公園一帯でもミズバショウが見られるエリアがあります。

山地については、湿地がある場所では見られる場合がありますが、春は「ヒグマ」のリスクが高まる時期で、場所によっては残雪が見られる場合もある上、星置緑地のようなしっかりとした「名所」がある訳でもないため、少なくとも「ミズバショウ」を目当てに山地をハイキングする必要はありません。