「藤(フジ)の花」は北海道・札幌では見られる?基本を知る【見頃・名所】

自然(植物)

日本固有の植物で、美しい紫(藤色)の花を咲かせることから古代・中世から長らく観賞用として栽培されてきた「フジ(藤)」。

こちらでは、藤の花(植物)の基礎知識や見頃・名所について、「北海道・札幌」という地域的視点から解説していきます。

藤の基礎知識

生育地域本州・四国・九州
※北海道・沖縄には「自生」しない(但し公園などで「園芸用」の栽培はあり)
生育環境低い山地・平地の森林
観賞用として公園などでの栽培も一般的
名前の由来・詳細は不明
・「吹き散る」の意味が「フヂ」と呼ばれるようになったとも
・藤という漢字は「つる性の植物」を意味するものとして成立
特徴・つる性の植物のため、高木や藤棚に巻き付いて生育する
直射日光が差し込む場所を好む
・マメ科ということで、巨大なエンドウ豆のような「豆果」をつける
花の色紫色・薄紅色(一般に「藤色」との呼び名も)
大きさ高さ:5m~10m程度
:20cm~1m程度(総状花序全体)・1cm~2cm程度(花びら)
:20cm~30cm程度(互生する葉全体)・4cm~10cm程度(個々の小葉)
豆果:10cm~20cm程度
分類落葉低木(つる性)
植物界(Plantae
被子植物(Angiosperms)
真正双子葉類(Eudicots)
コア真正双子葉類(Core eudicots)
バラ類(Rosids)
真正バラ類I(Eurosids I)
マメ目(Fabales)
マメ科(Fabaceae)
マメ亜科(Faboideae)
フジ連(Millettieae)
フジ属(Wisteria)
フジ(W. floribunda)
学名Wisteria floribunda
英名Japanese wisteria
別名ノダフジ(野田藤)
品種(下位区分)シロバナフジ(Wisteria floribunda f. alba)
アケボノフジ(Wisteria floribunda f. alborosea)
近縁種ヤマフジ(Wisteria brachybotrys)
シナフジ(Wisteria sinensis)
アメリカフジ(Wisteria frutescens) など
利用・文化・歴史的には「つる」が各種椅子、籠など民具の製作に利用
・強い繊維を持つため布などにも利用
・観賞用としては古代からの歴史を有する
自治体の花(木)神奈川県藤沢市・愛知県岡崎市・埼玉県春日部市・静岡県藤枝市・群馬県藤岡市 など

藤は、つる性の落葉低木の一種であり、春になると紫色から薄紅色、いわゆる「藤色」と呼ばれる美しい花を咲かせることで知られる植物です。

花は「総状花序」として数十個~100個程度の花が密集して咲き、その規模は1mに達することもあるなどかなり華やかな風景を産みだします。

日本の固有種である藤は、自生する場所は本州・九州・四国地方の温暖な地域(低い山地や平地の森林など)に限られ、北海道や沖縄などでは自生する植物ではありません。

但し、北海道・札幌でも公園での園芸用として栽培されている場合があるため、ご覧頂くことは可能です。

藤は日本の歴史・文化と深く関わる存在であり、古代・中世から観賞目的での栽培がなされてきた種です。「万葉集」でも藤の花は20首以上詠まれているほか、日本史上とりわけ重要な貴族「藤原氏」は、その名の通り「藤の花」を一族の象徴として用いており、藤原氏の氏神である奈良・春日大社も藤の花を象徴とし、境内には藤が咲き誇る姿が見られます。

名前については、フジという表現そのものについてはその由来は定かではありませんが、「吹き散る」の意味が「フヂ」となったなどの説があります。別名としては、一般に「フジ」と呼ばれるものは「ノダフジ(野田藤)」とも呼ばれ、藤の名所であった現在の摂津国野田村(現在の福島区内)の地名に由来するものとなっています。

藤の見頃はいつ?

全国的な開花時期4月中旬~5月中旬頃
札幌市内での開花時期5月下旬~6月中旬頃

藤の花は、基本的に桜が咲くシーズンとは1か月程度の差を置いて後から咲く形になります。

通常自生する場所は本州・四国・九州の温暖な地域となっており、自生地では地域ごとの差が特に目立つ訳ではありませんが、早い場所では4月中旬頃から咲き、遅い場所でも5月の初め頃からは見頃となる場合が多くなっています。

一方で、公園で園芸用にのみ栽培されている札幌市内(北海道)では、基本的に5月下旬以降が見頃となっており、寒冷地のため1か月前後の遅れが見られます。

なお、よく咲いている=見頃と言える期間は1週間程度で、ある程度咲いている期間を合わせると2週間以上藤の花をご覧頂けます。各年の気温などに応じ開花時期は一定程度ずれますので、その点はあらかじめご留意の上、公園などが公表する「開花情報」などをその都度ご確認頂くことをおすすめします。

札幌市内で藤が見られる場所は?

先に述べたように、藤という植物は北海道内・札幌市内では「自生」する植物ではありません。そのため、山や森をハイキングしても藤が見られるといったことはなく、あくまでも「園芸用」として栽培されているものを見る形になります。

札幌市内で藤が栽培されている主な場所

前田森林公園・天神山緑地・中島公園・百合が原公園・平岡樹芸センター・月寒公園・大通公園・豊平公園 など

札幌市内では、都心部に近い場所も含め、規模の大きな公園を中心に藤をご覧頂ける場所は多くなっています。

札幌市内有数の規模を持つ前田森林公園・中島公園では大規模な藤棚が設置されており、「名所」と呼ぶにふさわしい規模の藤がご覧頂けるほか、豊平区の天神山緑地では北海道最古と言われる「天神藤」が残されているなど、複数の公園・緑地を巡って「藤のお花見」をしてみるのもおすすめです。